2018年6月11日月曜日

キラフテ靴べらのいしずえとなった過去作品集(2)プチスプーン


「キラフテ 木の靴べら専門店」 店主の宮原です。


キラフテの靴べら製作には、とても多くの技法が必要なのですが、
実は靴べらとは全く関係の無い作品を作ったときに習得した技が
本当にたくさんあります。

「キラフテの靴べら作りのいしずえとなった過去作品集」では
私にとって懐かしい作品をご紹介していきたいと思います。


第2回は 2005年製作の、小さな「プチスプーン」です。





私が修行をした「クラフトハウス ヤスマ」は、
クラフト木製スプーンのパイオニアでした。

実にたくさんの種類のスプーンを作っていましたので、
デザインの重要ポイントから、実際の製造方法に至るまで
自身の頭と体に叩き込むことができました。

ですので、15年前に独立した際に
「今度は自分ならでのスプーンを作ってみたい・・・」
という気持ちになり、この「プチスプーン」を製作しました。






全長9センチ足らずの小さなスプーンで、さじ面の付け根が
キュッと絞り込んだデザインにし、小さいながらもスプーン
としての形状を強調しました。

木製のスプーンは、この付け根がなだらかなデザインが多いので、
あえて差別化をするためのデザインでもありました。



用途としては、小皿の料理のためのものなのですが、
「すくい易さ」にはかなりこだわりました。

側面の画像を見てください。

スプーンの柄に対して、さじ面の角度が大くなっているのが
お判りいただけると思います。

次に画像を、実際に使用中の状態してみます。




食品をすくうときには、さじ面がほぼ水平となります。
一方、持ち手は上側に大きく傾いています。

これにより、テーブル面とスプーンの柄の距離が保たれ、
ごく自然な角度で「鉛筆持ち」ができます。

また、お皿のふちにスプーンの柄が当たりにくくなり、
お皿を大きく傾ける必要がなく、お皿の中の食べ物が、
不意に皿のふちからこぼれてしまうのを防ぎます。



「使いやすい食器は、食事の姿を美しくする。」
そんな信念で取り組んだ作品でした。